兼業・副業認める?(その②)|ウィンベル式無敵の労務管理Vol.31

兼業・副業認める?
-その②-

ウィンベルの山口です。
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金曜日の今日は、「ウィンベル式無敵の労務管理」を配信します。
さて、本題です。
前回に引き続き、今回も副業・兼業についてお話したいと思います。
相談内容はこちらでしたね。
昨年内定を出した今年の4月から入社予定の内定者から次のようなメールが届きました。

これに対し、弊社では、兼業・副業を認めていませんでしたので、

と回答したところ、内定を辞退されてしまいました。
今後、内定者からこのような問い合わせがあった場合、どう回答すべきか、また既存の従業員から副業のニーズが出てきた場合どう対応すべきでしょうか?
前回、副業・兼業を全面的に禁止することは難しいという話をしました。
しかし、一定の合理性の認められる場合には制限が可能でした。
では、制限する場合は、どのように制限すべきでしょうか?方法としては、2つあります。
一つは、届出制です。
これは厚生労働省のモデル就業規則に採用されているものです。
もう一つは、許可制です。
両者の違いは、会社の判断が入るか否かです。
届出制は、会社の判断なく、届出を受領した時点で従業員は副業ができることになります。
一方で許可制は、従業員からの申請に対して、会社がそれを許可するか否かを判断することができます。
副業・兼業を積極的に認めていきたい場合は届出制を、合理性の認められる範囲で副業・兼業を制限したい場合には許可制を採用することになります。
許可制を採用する場合の就業規則の規定としては以下のように規定することをオススメします。
※申請書については、副業先・副業先での労働条件(労働契約締結日、就労形態、所定労働時間、就労日、管理監督者に該当するか否か等)を記載させるようにしましょう。その理由は次回解説します。
2 会社は、次の各号のいずれかに該当する場合には、従業員に対して、副業を許可しない。
(1)副業により必要な労務提供ができないなど、労務提供に支障が生じる場合
(2)会社の営業上の秘密その他会社が保有する情報が外部に漏洩するおそれがあるなど、会社の秘密が漏洩するおそれがある場合
(3)副業が会社の利益と相反するなど、競業により会社の利益が害されるおそれがある場合
(4)会社の名誉や信用を損なうおそれや信頼関係を破壊するおそれがある場合
(5)従業員の健康確保に問題が生じるおそれがある場合
(6)想定される会社での時間外労働時間と副業先で想定される時間外労働時間の合計が、時間外労働時間の上限規制を超えることが明らかな場合
(7)適切な労務管理のために会社が従業員に求める書類、資料等を従業員が提出しない場合
(8)その他労務提供義務や企業秩序維持の観点から副業を認めることが不適当な場合
ぜひ参考にしてください。
次回は、副業を許可した場合の労働時間管理等の方法や注意点について解説したいと思います。
本日は以上です。
それでは、よい一日を。
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