電子マネーと給与支払い~給与もPayPay~(その②)|ウィンベル式無敵の労務管理Vol.28

電子マネーと給与支払い~給与もPayPay~
-その②-

ウィンベルの山口です。
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金曜日の今日は、「ウィンベル式無敵の労務管理」を配信します。
さて、本題です。
前回に引き続き、電子マネーによる給与支払いについてお話したいと思います。
本日は、電子マネーで給与支払いを行う場合の会社の対応について紹介します。
まずは、就業規則の変更が必要となります。
賃金の支払いに関わる事項ですので、賃金規程等の賃金の支払いの条項に電子マネーでの支払いに関する条文を追加する必要があります。
たとえば、以下のような条項を追加します。
第●条(賃金の支払い)
- ・・・(通貨払いの規定)
- ・・・
- 第1項の規定にかかわらず、従業員が当社指定の方法により電子マネーによる賃金支払いを希望した場合、従業員が指定する指定資金移動業者の口座への資金移動により賃金を支払う。ただし、この場合に賃金として支払う電子マネーの額は、指定資金移動業者の受入上限額の範囲内に限る。
- 前項の賃金支払いを希望する従業員は、当社指定の「資金移動業者口座への賃金支払に関する依頼書」により、指定資金移動業者口座を特定するために必要な情報等を提供しなければならない。
次に、労使協定の締結も必要となります。
労使協定については、厚生労働省のホームページにて例が公表されていますので、参考にしてください。
最後に、実際に電子マネーで給与を支払う場合は、従業員から個別の希望があることが前提となります。
その際、同意書を取っておく方が労使双方にとって重要ですので、同意書を取りましょう。
同意書についても、厚生労働省のホームページで例が公表されていますので、参考にしてください。
電子マネーによる給与支払いは新しい制度であるため、従業員側も制度を理解していない場合もあります。
たとえば、次回解説しますが、給与全額を電子マネーで支払うことが、受入口座の上限額の関係で、できない場合があります(給与50万円のうち、20万円は電子マネーで、30万円は銀行口座へという形になります。)。
その意味でも、同意書を取る前に従業員に制度を説明した上で、同意してもらうことが無用な争いを防止するためには重要になります。
本日は以上です。
次回は、今回少し触れた受入上限額等、細かい部分を解説したいと思います。
それでは、よい一日を。
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