有期雇用契約の有効活用のための就業規則②|ウィンベル式無敵の労務管理マガジンVol.18
有期雇用契約の
有効活用のための就業規則
-その2-
みなさん、こんにちは。弁護士の山口です。
本題に入る前に少しお知らせをさせてください。
この度、ウィンベル法律事務所のホームページが完成しました。こちらでも定期的にコラムを投稿しています。
現在は問題社員対策を連載していますので、ぜひ興味のある方はこちらもご覧ください。
コラムを読むさて、本題です。
今回から有期雇用契約を試用目的で運用する場合の具体的な注意点についてお伝えいたします。
まず本日は、この点における重要な判例である「福原学園事件(最判平成28年12月1日)」と呼ばれる事件を紹介します。
少し脱線しますが、なぜか労働事件の判例・裁判例は、被告となった使用者側の企業名等が事件名になって公表されます。
しかも、将来にわたってこの事件名が用いられるため、企業のレピュテーションの観点からも、やはり裁判になる前に交渉で解決する、裁判になったとしても上手く裁判所も活用しつつ交渉をして和解で終わらせるという観点も重要になりますね。
労働事件における交渉での早期円満解決については、私の専門分野(交渉学)でもありますので、そのノウハウをどこかの機会で公開したいと思います。
さて、本題に戻りますが、ざっくり概要を説明すると
原告(教員)は、被告である福原学園と1年間の有期雇用契約を締結し、その後、更新がなされたが、3年で雇止めにあった
という事件です。(詳細は、興味のある方はご自身でご確認いただければと思います。)
この事件は、第二審と最高裁で判断が分かれました。それぞれの判断の違いは以下のとおりです。
この判例を踏まえて、有期雇用契約が実質的に試用期間であるとの判断をされないために、企業側としてどのような運用をすべきでしょうか?
是非次回、その答え合わせをしたいので、少し考えてみてください。
ポイントは、第二審が判断した「客観的な合理性のある期待」とは?という点です。
この有期雇用契約を上手く活用すれば、企業としての採用リスクの低減に大きく繋がります。
次回をお楽しみに。
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