フリーランス新法と就業規則②|ウィンベル式無敵の労務管理マガジンVol.10
フリーランス新法と就業規則
-その2-
みなさん、こんにちは。弁護士の山口です。
本題に入る前に少しお知らせをさせてください。
この度、ウィンベル法律事務所のホームページが完成しました。こちらでも定期的にコラムを投稿しています。
現在は問題社員対策を連載していますので、ぜひ興味のある方はこちらもご覧ください。
コラムを読むさて、本題です。
前回の「フリーランス新法と就業規則-その1-」に引き続き、今回もフリーランス新法についてお伝えしたいと思います。
今回は、取引適正化のための具体的な規制内容についてお話します。
■取引条件の明示義務
まず、全てのBtoBの業務委託契約に適用される義務として、「取引条件の明示義務」があります。
業務委託契約を締結する際に、特定の事項(業務委託の内容、報酬額、報酬の支払日等)を書面または電磁的方法により明示しなければなりません。
なお、フリーランスが書面の交付を求めた場合、業務委託事業者は遅滞なく書面の交付が必要になりますので注意が必要です。
「メール(電磁的方法)で送ったから、フリーランスからのそんな要求には対応しなくていい。」ということは原則できません。
■報酬支払期日に関する規制
次に、報酬支払期日に関する規制があります。具体的には以下のとおりです。
【1】60日ルール
特定業務委託事業者は、フリーランスから成果物等を受領した場合、その日から60日以内のできる限り短い期間内に報酬支払期日を定めなければなりません。
ちなみに、受領日から60日を超えた日が報酬支払期日と定められたとしても、報酬支払日は受領日から60日を経過した日とみなされます。
【2】30日ルール
特定業務委託事業者は、他の事業者(元請事業者)から発注を受け、その業務を特定受託事業者に再委託をした場合、元請事業者からの対価の支払期日から起算して30日以内のできる限り短い期間内を支払期日として定めなければなりません。
ちなみに、60日ルール同様、30日を超えた日を報酬支払期日と定めた場合、元請事業者からの対価の支払期日から30日を経過した日が期日となります。
■禁止行為
最後に、特定業務受託事業者は、特定受託事業者との業務委託期間が1か月以上の場合、以下の行為が禁止されます。
■フリーランスとの取引がある事業者は必ず確認を!
以上がフリーランスとの取引の適正化のために、業務委託事業者に課されている規制になります。
これまで問題視していなかったことが今後は問題視される可能性が高まりますので、フリーランスとの取引がある事業者は必ずご確認ください。
次回は、フリーランスの就業環境の整備に関する規制を見ていきたいと思います。
お楽しみに。
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