問題社員をどう管理するか|人材管理編①

問題社員をどう管理するか その3~人材管理編①~

はじめに

弁護士の山口真彦です。

本日から2回に分けて「従業員の問題社員化を防止するために何をすべきか」という点についてお話したいと思います。

業種やその従業員の特性によっても対策は異なる部分はありますが、このコラムでは、なるべく汎用的に使える防止策について話したいと思います。自分の会社に最も効果的な対策を講じたいと思われる方については、ぜひ個別にご相談いただければと思います。

服務規律の活用について

初回の本日は、「服務規律」の活用についてお話します。

このコラムを読まれる前に、一度ご自身の会社の「服務規律」をご覧ください。いかがでしょうか?

おそらく、多くの会社で服務規律の条項は、概ね10条程度ではないでしょうか?その内容としては、「遅刻しちゃダメ」「服装は華美にならないように」「ハラスメントしちゃダメ」・・・などではないでしょうか?

ここで改めて考えていただきたいのですが・・・

今、皆さんの頭にある『問題社員』とはどんな人ですか?

その上で、今、イメージした問題社員がお手元にある服務規律を守れば、皆さんの会社から問題社員はいなくなりますか?

お気づきですね。今の皆さんの服務規律では、問題社員に対応することはできないのです。

服務規律とはなにか

遅ればせながらですが、服務規律とは何かについて簡単に説明します。

「服務規律」とは、読んで字のごとく、業務に服する際に従業員が守らなければならない職場のルールです。社会人としてのルールと言い換えてもいいでしょう。

一般的には、社会人として常識的なルールが規定されています。

では、皆さんにとっての「社会人としての常識」ってなんでしょうか?違う言い方をすると、皆さんが従業員に求める常識とは何ですか?

これは社長の価値観によって違いますよね?ということは、服務規律にも皆さんの考える常識を反映させなければ、皆さんの考える問題社員に対応できませんよね?

典型的な服務規律に記載されているものは、一般的なものだけであり、皆さんの価値観として、それ以外の点も従業員にはしっかり守って欲しいと思うこともあるでしょう。

そこで、この「服務規律」を活用すべきなのです。しっかりと経営者が従業員に求めるものを反映させなければならないのです。

不測の事態に備えるためにも、服務規律の見直しを!

たとえば、こんなご経験ありませんか?もしくは、こんなことが皆さんの会社内で起きたらどうしますか?

職場内でリーダー的な従業員が他の従業員を扇動し、労働条件等について会社への不満を集約し、社長室に乗り込んできた・・・(ただし、労働組合が行う団体交渉ではないことが前提です。)

このような事態にどう対応しますか?もし、服務規律の中にこのような行為をしてはならないと規定していればどうでしょうか?しかも、服務規律に違反した場合、懲戒処分もできるようにしていればどうでしょうか?

おそらく、このような事態はそもそも起きなかったでしょうし、仮に起きたとしても、服務規律で禁止されている行為であることを示し毅然とした態度で対応することができるでしょう。

その上で、何か会社に言いたいことがあれば各人が直接会社に申し出るようにすることで、従業員一人ひとりに対して、それぞれの意向を聴き取りつつ丁寧に会社も対応することができます。

交渉学の知見を活かして、上手く交渉することができれば、双方納得いく形で解決することも可能です。

ぜひ、「服務規律」を問題社員への対策の一つとして、見直してみてはいかがでしょうか?

おわりに

弊所では、一般的な服務規律に加えて、経営者の視点から従業員に守ってほしいと思われる様々な規定を準備しております。

服務規律の改定にご興味がある方はぜひお問い合わせください。

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山口真彦弁護士
山口真彦/YAMAGUCHI MASAHIKO

ウィンベル法律事務所代表。保有資格は弁護士、社会保険労務士、MBA(九州大学経営学修士)・CFE(公認不正検査士)。大学卒業後、中小企業で営業マンとして勤務したのち弁護士へ。弁護士登録後は、自身が中小企業で勤務していた経験をもとに、企業に関わるすべての人を幸せにするために弁護士にできることをテーマに日々活動している。交渉学に基づいた交渉術を駆使し、早期円満解決がモットー。