ウィンベル式無敵の労務管理Vol.22
従業員による不正行為を就業規則でどう防止するか
-その③-
ウィンベルの山口です。
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金曜日の今日は、「ウィンベル式無敵の労務管理」を配信します。
さて、本題です。
本日は、会社が貸与しているPCやスマホの中にあるデータ等の情報を会社がモニタリングすることができるかという話をしたいと思います。
この点、おそらく従業員側から主張されることとしては、「モニタリングによって従業員のプライバシーが侵害される」という点になると思います。
裁判例では、会社が貸与したパソコン等を私的使用することは社会通念上相当な範囲であれば、認められています(たとえば、前回お伝えした子どもの学校の緊急連絡先に登録するなど)。
つまり、一定の制限はあるものの、私的利用ができるので、モニタリングについても会社としては、従業員のプライバシーに配慮する必要があります。
やはり、モニタリングに関して従業員との無用な争いを避けるためにも、事前にモニタリングする可能性があることを就業規則等に定め、従業員に周知しておくことがよいでしょう。
そうすることで、従業員による私的利用自体を抑制できます。
また、会社が押さえておくべきポイントとしては、モニタリングができるとしても、その方法が不相当であれば違法の評価を受ける可能性があるという点です。
そこで、違法になり得るモニタリング方法を知っておきましょう。
違法となり得るモニタリング方法としては、たとえば、
- モニタリングする権限のない者によるモニタリング
- 個人的な好奇心などモニタリングをすることについての職務上の合理的必要性が認められない理由によるモニタリング
- 個人による秘密裏のモニタリング
このようなモニタリングについては違法という評価を受ける可能性がありますので、注意しましょう。
では、最後にモニタリングに関する規定例を紹介して終わりにしたいと思います。
【規定例】
第●条 会社は、必要と認める場合には、会社が従業員に対して貸与しているパソコンやスマートフォン等の電子端末内に記録されたメール、メッセージ、アプリ内情報、ホームページの閲覧履歴その他一切のデータを閲覧し、かつこれらのデータの保存をすることができる。
2 会社は、必要と認める場合には、外部に委託し、会社が従業員に対して貸与しているパソコンやスマートフォン等の電子端末についてデータ解析やデータの復元等を依頼することができる。
本日は以上です。
次回も従業員による不正行為についてお伝えしたいと思います。
お楽しみに
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