フリーランス新法と就業規則①|ウィンベル式無敵の労務管理マガジンVol.09
フリーランス新法と就業規則
-その1-
みなさん、こんにちは。弁護士の山口です。
本題に入る前に少しお知らせをさせてください。
この度、ウィンベル法律事務所のホームページが完成しました。こちらでも定期的にコラムを投稿しています。
現在は問題社員対策を連載していますので、ぜひ興味のある方はこちらもご覧ください。
コラムを読むさて、本題です。
本日から数回にわたり、いよいよ2024年11月1日にその施行が迫ってきたフリーランス新法について取り扱います。
フリーランスの方と会社の関係は業務委託契約になりますので、雇用契約の内容となる就業規則という視点からは関係のないように思えますが、実は就業規則との関係においても企業としては対応が必要な点が出てきますので、その点も含めて、フリーランス新法全体について解説したいと思います。
■フリーランス新法の概要
初回の本日は、フリーランス新法が具体的にどのような場合に適用されるかなど概要をお伝えします。
もともと、企業間の業務委託については、下請法という法律によって、立場の弱い下請業者を保護していました。
しかし、近年、働き方の多様化に伴い、個人で仕事を請け負うフリーランスが増え、企業と個人の業務委託において、立場や交渉力の弱い個人が不利益な取り扱いを受けることが多くなってきました。
そこで、企業と個人間の業務委託についても下請法のような形でフリーランスの個人を保護し、その取引を適正に行うべく、フリーランス新法による法の介入が行われることになりました。
■フリーランス新法の適用対象
では、まずは、フリーランス新法の適用対象についてお話します。
フリーランス新法は「組織」である企業と「個」であるフリーランスとの立場・交渉力の格差に着目した法律になりますので、その適用対象は、以下のようになります。
- 発注側事業者(特定業務委託事業者):従業員を 使用するもの
- ※従業員=週所定労働時間20時間以上かつ31日以上の雇用が見込まれる者
- フリーランス(特定受託事業者):従業員を 使用しないもの
- ※社長1名で経営している法人なども含まれる。ただし、役員が複数いる場合は対象外になる。
また、対象となる取引は、業務委託となりますので、売買契約などのその他の契約は当然対象外となります。
今回は、フリーランス新法が制定された経緯と適用対象についてお話させていただきました。
次回は、具体的にどのような規制があるのかについてお話したいと思います。
お楽しみに。
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